【賛同を呼びかけます】衆議院解散に伴う自治体首長の緊急声明
1 月 19 日、「衆議院解散」を明言する高市早苗首相の記者会見が行われました。
しかし、読売新聞が 1 月 9 日に「高市首相、衆議院解散を検討」と報じて以降、10 日あまりにわたり正式な表明がないまま、自治体は選挙準備を進めざるを得ない状況に置かれてきました。
1 月 10 日付で総務省からは、「本日の朝刊等において、1 月 23 日召集予定の通常国会冒頭に衆議院解散の案が浮上しているとの報道があったため、選挙管理委員会において準備を進めるように」との、極めて異例の通知が発出され、自治体は突然、総選挙に向けた実務に着手することとなりました。
選挙を実務として支えているのは、自治体職員です。
自治体はいま、新年度当初予算の編成作業の真っただ中にあり、予算議会を目前に控え、年間でも最も業務が集中する時期にあります。加えて、昨年夏以来の懸案である「物価高対策」について、国の補正予算が12 月 16 日に成立し、「重点支援地方交付金」として年度内執行を求められたことから、年末年始をまたいで臨時議会を開き、執行体制を構築してきました。その最中での、突然の解散・総選挙対応です。
この時期に解散・総選挙が行われれば、国の来年度予算が年度内に成立せず、暫定予算となる可能性が高まります。暫定予算となれば、行政運営に必要な経常経費以外の予算執行に制約が生じ、自治体運営にも大きな影響が及びます。
1 月 19 日の解散表明、23 日の解散、27 日の公示という「超特急」の日程のもとで、自治体の選挙実務は翻弄されています。期日前投票が定着した今日において、投票所入場整理券をいつまでに住民へ届けられるのか、極めて綱渡りの調整を続けています。1 月 9 日の解散報道以降、正式な表明がないまま、自治体職員は事実上の緊急体制を強いられてきました。
投票日が 2 月 8 日なのか、2 月 15 日なのかさえ、首相の解散表明があるまで不明な中、最短日程に間に合わせるために、現場には過度な負荷がかかっています。
日常業務に加え、国の経済対策への対応、さらに選挙事務が短期間に集中することは、今後の行政運営や職員の働き方に深刻な影響を及ぼしかねません。私たちは、自治体の責任者として、強い問題意識を抱かざるを得ません。
本来、「物価高対策」を最優先とするのであれば、国会において十分な予算審議を行い、予算成立を経た上で、解散・総選挙に向かうのがあるべき姿です。
仮に、「今、解散すれば有利だから」「野党の準備が整わないうちに」といった政治的判断が背景にあるのだとすれば、それは国民生活や自治体実務を犠牲にするものであり、深く省みられるべきです。豪雪地帯を含む真冬の解散・総選挙は、選挙運動や投票そのものにもリスクを伴います。私たちは、今回の事態を契機として、政権による解散権の行使の在り方、乱用を防ぐための制度や議論を、社会全体で改めて行うことを強く求めます。
2026 年 1 月 19 日
【呼びかけ人(50 音順)】
多摩市長 阿部裕行
小田原市長 加藤憲一
杉並区長 岸本聡子
中野区長 酒井直人
世田谷区長 保坂展人
