衆議院議員選挙にあたってのLIN-Netの声明

自治体の努力と挑戦を支える国に

衆議院議員選挙にあたってのLIN-Netの声明

2024年10月9日
 
旧統一教会問題や自民党派閥の裏金問題などが明らかになり、政治への信頼が大きく損なわれている中で、岸田文雄首相からバトンを受け継いだ石破茂首相は、十分な国会論戦をかわすこともなく、10月9日、衆議院を解散しました。15日公示、27日投開票で衆議院議員選挙が行われます。
 
各政党・各候補者が、地域からの民主主義とコモンの再生をめざす私たちの取り組みをしっかりと受け止めていただき、ボトムアップの地域・自治体の努力と挑戦を支える国政への転換の道を切り開いていく大きな転機とすることを強く期待するものです。
 
私たちLIN-Net (Local Initiative Network)は、「地域主権とコモンの再生」を掲げ、その政策と成果を共有する自治体首長・議員、市民のネットワークとして、2年前の2021年12月に発足しました。現在、次の5つの政策的な柱をもとに活動してきました。
 
01|地域主権と民主主義を目指します
02|気候危機をストップするため、自治体と地域の力で取り組みます
03|「ケアを社会の真ん中に」位置づけます
04|人権を尊重し、多様性を認め合う社会をつくります
05|市民と行政が共に参画する街づくりを進めます
 
これまでの2年間、東京都内で7回のセミナーを開催、首長、自治体議員、市民ら参加者は延べ2000人に上り、共感と連帯は全国に広がり、現在、賛同人は400人を超えました。地域からの政策実現は、国政の場での議論と密接な関係があります。
 
現在、国と自治体との間には深刻な課題があります。沖縄県の権限を奪って行われた辺野古新基地建設をめぐる国の「代執行」に続いて、国と地方の平等・協力の関係を「閣議決定」によって「国の指示権」により自治体が指揮命令を受ける事態を可能にする地方自治法「改正」などが分権自治・地方主権を揺さぶっています。首都圏への人口一極集中、急激な人口減少、少子高齢化、気候危機などが深刻化し、分権自治、地方主権を求める地域・自治体の果たす役割は、極めて重要になってきています。
 
とりわけ、以下に列挙する自治体が直面する重要課題のうちいくつかは、国政レベルでの明確な政策転換を喫緊のこととして必要としています。各政党・候補者がこれらの課題に明確な立場を示し、その実現のために積極的に行動することを求めます。私たちLIN-Netの世話人・賛同人が積極的に衆議院議員選挙に向け発信、行動することを表明するものです。
 
  • ゼロ・カーボン実現に向けた、真剣で具体的な工程の確立。再生可能エネルギー利活用の抜本的な拡大と石炭火力ならびに原子力発電からの速やかな離脱
  • 災害対策における被災住民の避難環境の改善と被災自治体の支援体制の構築
  • ケア労働者の待遇と労働条件を抜本的に向上させ、公的なケアシステムの再建を図るための介護保険法、障害者総合支援法などにもとづく法、基準、報酬等の見直し
  • 市街地再開発をはじめとした都市計画事業に対する公費投入と許認可制度の検証。地域住民と自治体が協働して取り組む修復型まちづくりへの財政的制度的な支援
  • 選択的夫婦別姓制度の法制化。同性婚を可能とする法制度の実現
  • 旧統一教会と自民党との癒着を徹底解明し、二世信者はじめ被害者救済の体制整備を図ること
  • 裏金議員の根絶と政治資金の透明化と企業団体献金の禁止を含む政治資金規正法の改正
  • ふるさと納税制度の見直し。地方交付税制度の拡充による地方財政支援の強化
  • 地方自治体への「指示」権を法定し、自治体を自在に国の指揮命令下に置くことを可能とする地方自治法改正を見直し、国と自治体が対等な立場で協議・協力する仕組みを整えること
  • PFAS汚染源調査や性暴力事件捜査の妨げとなるなど、住民の暮らしと命を守るべき自治体の権限を奪う日米地位協定の見直し改定
  • マイナ保険証の“義務化”を見直し、12月以降も健康保険証を引き続き利用できるようにすること
  • 公契約法の制定と労働報酬の確保、最低賃金の大幅引き上げで、官製ワーキングプアーをなくし、公共サービスの質の向上をはかる。
 
以上