分権と地域主権を侵害する地方自治法「改正」案成立 LIN-Netなど4団体、「抗議声明」を発表
LIN-Netは、4月20日の「MEETING Ⅶ」で地方自治法「改正」案に反対する「声明」を公表、その後本改正案の国会審議の動向に対し、廃案を求める3団体とともに衆参における「院内集会」をよびかけ、政党への働きかけ、衆参総務委員会への傍聴行動などを積みあげ、参議院での最終局面では国会前での抗議行動を行いました。その間、自治体議会における反対の意見書の取り組み、ネットによる反対署名、新聞各紙でも社説も含め報道が増えていきました。しかし、残念ながら6月19日「改正」案は可決成立、「廃案」に追い込むことはできませんでした。LIN―Netは今後も自治の強化を図り、国による統制に対し、地域主権の立場から望むことを明確にしたいと思います。
なお、地方自治法「改正」案の廃案に向けてともに活動をしてきたLIN―Netを含む4団体は「改正」案の成立にあたって、以下の「抗議声明」を公表しました。
(声明) 地方自治法「改正」に抗議する
地方自治法の「改正」案が6月18日、参議院総務委員会で採決され、19日の参議院本会議で可決成立した。
私たちは、今回の改正案の柱である「国の指示権拡大」に重大な懸念を持ち、廃案を求めてきた。自治体、法曹関係者、マスコミからも懸念と批判の声が広がる中、野党や自治の現場、世論から示された初歩的かつ基礎的な疑問に対して、誠意を欠いた答弁に終始した政府与党に強く抗議する。
当初、「感染症」や「大規模災害」を例にあげて、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断した場合で、かつ個別法によって国の関与が認められていない「想定できない事態」において、閣議決定で、地方自治体に対して「国の指示」が出せるようにするものだと言われていた。しかし、「想定出来ない事態とは例えばどんな事態か」という問いに対しては、「想定できない事態を想定することは出来ない」などと詭弁を弄して、具体的例示をすることはついにできなかった。
議論が深まっていくと、どうやら「感染症」「大規模災害」は例外的な非常事態を想起させるアドバルーンにすぎず、「国の関与を定めた個別法がない事態」すべてに対して、広範囲かつ自在に国が自治体を指揮命令下に置こうとする内容であること、いわば自治体の国に対する「白紙委任法」であることが明らかとなった。
国民を欺いて憲法を超越するかの如く、地方自治体の理解や同意を必要とせずに、指揮命令権を手にするような 「地方自治法『改正』」は許されない。私たちは、「改正」内容をただちに削除し廃止する世論を高めることを決意し、ここに強く抗議の意思を表明する。
2024 年 6 月 19 日
平和・立憲・人権をつなぐ全国自治体議員会議
自治体議員政策情報センター 虹とみどり
ローカルイニシアティブネットワーク(LIN-Net)
NPO 官製ワーキングプア研究会
連絡先 LIN-Net 事務局
(担当 陣内 090-1548‐6014)